最新号 LEON掲載!【コラボ企画クロコバッグが出来上がるまで】

#1302-ミニブリーフバッグ

こんにちは。(株)イシカワの吉川です。

皆さんはもう、9月23日(土)発売のLEON16周年特別記念号(11月号)をご覧いただけましたでしょうか?今回はRio de piedraが得意とする新作の「クロコミニバッグ」が掲載されています。実はこのバッグ、老舗セレクトショップ「銀座オサダ」とのコラボ(共作)モデルなのです。

「クロコダイルでありながらも日常生活にサラッと馴染む新感覚バッグ」をコンセプトとして、両者が長年培ってきた知識・経験を基に協議を重ねて完成したバッグです。
今回はそんなコラボモデルが作られるまでの製作工程や製品の魅力も合わせてご紹介していきたいと思います。

ファッション誌では紹介されない製作現場のプロフェッショナルな作業も必見です。

バッグ・革小物の本格ブランド【Rio de piedra / リオ デ ピエドラ】

 

クロコを落とし込んだコラボモデル

Rio de piedraの取扱店でもあり、東京・銀座並木通りに1971年に開店し、46周年を迎える老舗セレクトショップ「銀座オサダ」。イタリア製のアイテムを中心に銀座でお買い物を楽しむ目のこえたお客様に長年支持されています。

銀座オサダ

「7年間人気を持続しているオリジナルバッグがあるのですが…」「このバッグにクロコダイル革を落とし込んで製作することは可能ですか?」そんなやり取りから「銀座オサダ」との初回のコラボ製作が始まりました。

以前のコラボモデルの評価も上々で、今回のコラボ企画もとんとん拍子に話が決まった次第です。「ちょい持ち」ミニバッグとでも呼びましょうか。セカンドバッグでもないクラッチバッグでもない小さ目のカジュアルバッグの製作へと進んでいきました。

ショップのラインナップを参考に協議し、今年人気No.1バッグに変化をつけ、私たちのエキゾモノ作りのエッセンスと利便性を加えた絶妙なサイズ感のカジュアルクロコダイルバッグのデザインが生まれました。ちなみにそのバッグがこれです。

銀座モデル

バックの手持ちや脇にかかえるクロコメンズバッグの欠点でもある「両手が使えない」ことを解消するために、取り外し可能なショルダーストラップを付属。「銀座オサダ」のお客様のお声を取り入れ2Way仕様にしました。

 

バッグのイメージを左右する模型作り

まずは設計から始まります。サイズやデザイン・内側の仕様をパターン(型紙)を作る職人に伝えるため、設計図のような指図書を作成します。それを基に職人はクロコではない別素材を使って模型を作ります。オーダースーツなどの仮縫いテスト用のようなものです。

型紙が私たちがイメージしているフォルムや雰囲気で作られているかをまず見ます。続いて指図書通りに抜かりなく作られているかチェック。模型の出来栄えが良くない時は再度指示を出すことも度々ある、大切な工程でもあるのです。バッグから漂うたたずまいは本当に重要です。

模型と指図書

 

余談ではありますが、私たちがお受けするフルオーダーアイテムの製作なども、1からデザインなどを設計いたしますので、今回のコラボ企画同様に模型を作り、お客様にご確認を頂いた後に、本番のエキゾチックレザー製作を行う形を取っております。

 

 

パズルのような型紙入れとクロコパーツの支度

模型を基に微調整を加えつつ、型紙が作られます。作る製品に合わせ、適したサイズのクロコダイル革をピックアップし、型紙をあてがっていきます。

クロコを始めとするエキゾチックレザーの表面には、ウロコなどの独特の表情・形状があります。革1枚でも部分的には丸形だったり、四角形だったりと。この柄模様を合せることを考えながら型紙入れをしなくてはいけません。

例えば、バッグのマチ(サイズ表示の幅の部分)の片側(右)を四角形だけの柄にしたら、もう片側(左)も同じ四角形をあてがわなくてはなりません。丸形はダメです。左右・前後が「対象」となる柄にすることがエキゾチックアイテム作りの基本なのです。

クロコと型紙

天然皮革には化学の力で作られた合成皮革と違い、本革の証であるキズやシワなどがあります。それを避け面対象となる組み合わせを作る。その作業はまさにパズルのピース合せ。実は型紙入れは頭を使う作業でもあるのです。

裁断

完成されたクロコダイルバッグをイメージしながら型紙入れ、そして革包丁を使い裁断します。

大漉き

裁断された各クロコパーツはバンドナイフを使い、製品の仕上りを想定して厚みを調整します。

全てのパーツを同じ厚みにはしません。バッグのどの部分に使われるのかを把握して、0.1ミリ単位でパーツごとに厚みを微妙に変えています。信じられないかもしれませんが、この「0.1ミリ」がバッグの出来栄えを左右するほどのデリケートな作業でもあるのです。

 

経験・技術だけではない職人の下ごしらえ

クロコダイルの独特な風合いを生かすバッグ作りには、目には見えないところにもさまざまな工夫がなされ、それは製品の表情となって現れます。クオリティの高いモノをお届けしたいという職人の「高い意識」と「心持ち」により差が現れる工程と言っても過言ではありません。

裏張り

弊社の職人は裏材ひとつにしてもさまざまな情報を入手し、使い分けなどをこちらが言わずとも行ってくれています。ただ作ればよいという考えでなく、お使いになる側に立った心遣いを持つ職人が、Rio de piedraのクオリティを支えてくれています。

コバ漉き

もちろん、経験と技術も持ち合わせていなければ、エキゾ職人としてはなりたちません。革が厚みを持ってしまう部分。つまり、革と革が重なり合いステッチを掛ける部分や、折り返したりする部分は革を極限まで薄くしなければスッキリとした製品にはなりません。これをコバ漉き(部分漉き)と呼びます。

革全体に凹凸のあるクロコダイル革を薄くすることは、非常に難しく経験がものを言います。熟練の牛革の職人でさえも、おいそれとできることではありません。機械を使う革漉きは、一見簡単に見えますが、エキゾモノ作りの生命線でもあるのです。

コバ塗り

そしてパーツによっては、高級感を損なわれない、そしてより高級感を高める目に見える処置も同時に行います。革の断面が丸見えの部分には同色の塗料を塗り外見を整えます。

肉盛り

芯材を使用し、パーツに立体感を持たせより見栄えを良くさせます。

手ひも作り

革を折り合わせて厚みを持たせ重厚感とデザイン性を表現させます。

 

曲線的な表情を持つコラボバッグが完成

下ごしらえの整ったパーツを組み合わせ、縫製(ミシン掛け)を行えばクロコダイルバッグが完成します。このバッグは肩ひじ張らずにお使いいただけるよう、バッグ全体からカジュアルな雰囲気が感じられる製法で作られています。

手元縫い

まず、ボディ(胴)部分にハンドルを縫い付けます。続いて胴の裏側にあらかじめスエードレザーで作っておいた、バッグの内側の機能部分(ポケットなど)を取り付けます。

内縫い

前記のパーツを取り付けた「胴」と「マチ・底」部分を表側からではなく「裏側」から縫い合わせます。この裏側から縫い合わせる製法を「内縫い」といいます。

この製法で作られたバッグは全体的に「ふんわり」としたフォルムになります。直線的なカチッとしたフォーマルな印象ではなく、曲線的なよりカジュアル色の強い表情となります。

裏側から縫い合わされた本体は丁寧にひっくり返され、クロコダイルバッグの全貌が確認できる姿となって現れます。内縫いは別名「返しもの」とも呼ばれ、ひっくり返すことによりカジュアルなフォルムが作られるのです。

仕上げ縫い

いよいよ最後のミシン掛けです。内縫いでは縫い合わせることの出来なかった部分も今度はクロコ表面にステッチを刻んでいきます。緩やかなカーブ部分もためらうことなくスムーズにミシンを進め、コラボバッグが完成いたします。

 

展示販売へ

コラボバッグは弊社ホームページより商品詳細の閲覧やお買い求めもできますが、やはり写真だけではなかなかクロコの魅力が伝わりません。手に取ってご覧になりたい方は、ぜひ、「銀座オサダ」または株式会社イシカワ(浅草)へお越しください。株式会社イシカワには、別色のダークレッドのご用意もございます。

店舗内

 

 

 

最後に

身軽に行動できる2Way仕様で、必需品をサラッと持ち歩ける利便性の高いバッグに仕上がったと満足しております。ちょっとした外出時やドライブ・ゴルフや旅行のお共にいかがですか?

皆様の楽しい日常をこのクロコバッグが演出できることを願っています。

 


 

バッグ・革小物の本格ブランド【Rio de piedra / リオ デ ピエドラ】








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