ナオキック、クロコを学ぶ~クロコ財布製造編~

皆さん、こんにちは。リオデピエドラ新入社員、石川直生です。

入社して三か月経ち、年齢も年齢なのでいつまでも新入社員気分ではいられませんが、「いち社員」として、業務のインプットとアウトプットを重ねています。

さて、前回は弊社クロコ財布シリーズの色々な型のご紹介をさせていただきましたが、今回は僕も早速製作に携わっているお財布の製作現場の情報をお届けします。

三ヶ月前まではお財布ができるまでのことを考えることはありませんでしたが、僕も製作する側になって完成までここまでの段階があるということを知り、モノヅクリの深さと面白さを感じています。

みなさんにも完成までの工程をぜひ知っていただきたいので、ご紹介させてください。

バッグ・革小物の本格ブランド【Rio de piedra / リオ デ ピエドラ】

 

(1)革、裏地、抜き型用意

まず始めに、お財布を形作る革、裏地、芯などの材料、それとその材料を必要な大きさにするための抜き型を用意します。
多いものになると抜き型だけで40個くらいになり、それぞれによって型を抜く数も違うため、しっかりと確認しながらの作業が必要になります。

入社したばかりの4月には何度も必要なパーツの数を間違えて、新人らしく怒られながら作業を覚えていきました。

 

(2)クリッカー作業

お財布の材料となる革や裏地などが揃ったら、クリッカーという革を裁断する機械で抜き型に合わせてプレスして、お財布のパーツとなる型にしていきます。
ボタン一つで「ガチャン」とプレスしていくんですが、そのプレスの圧力は最大2トンほどにもなるので、抜き型とクリッカーの間に指を挟んでしまうことを想像しただけで……恐ろしくなってしまいます。

小さなミスが大きな事故になってしまうので、慣れた気にならず、慎重に丁寧な作業を心がけるよう教わりました。

 

(3)革漉き(バンドナイフ)

クリッカーでお財布の材料となる型になったら、次はバンドナイフという革を漉き割る(スライスする)機械で、パーツごとに必要な厚み寸法にしていきます。
元は厚さ数ミリの革をさらに薄く、最薄で0.3ミリくらいまで漉くことで、最後の組み立て工程の作業効率を良くしていきます。

どのくらい精巧なのかというと、郵便はがきの両面をスライスできてしまうほど!!
ちなみに弊社のバンドナイフは、外車が1台買えるほどに高価なドイツ製。
職人さんレベルの作業をしてくれる機械なので、扱いもデリケート。掃除やメンテナンスを怠ると大きな事故に繋がってしまいます。

弊社では30年以上使っていますが、掃除もメンテナンスも大切にしているので、パーツの交換以外は大きな故障も事故もなく、まだまだ現役で大活躍してくれています。

 

(4)材料を揃えて職人さんへ

クリッカー、バンドナイフでの作業が終わりお財布になるための全てのパーツが揃ったら、組み立て作業をしてくれる職人さんの元へ材料を届けます。レストランで言うところの、料理の仕込みまでを弊社で行い、シェフ(職人さん)に調理を行ってもらうと言う感じでしょうか。

革の厚みや、裏地の大きさ、枚数が一つでも間違っていると製品が完成しないので、職人さんからクレームが入ってしまいます。全てのパーツの数や種類はとても多くなるので、ここも慌てないで確認をする必要があります。

間違えてしまうと、ただでさえ忙しい職人さんのお仕事のリズムを狂わせてしまうので、当たり前ですが確認作業も毎回慎重に正確に行っていきます。そして職人さんの元にパーツを届け、完成納期の確認やお客様のご希望で細かい部分の変更があるときは、その部分もしっかりと伝えていきます。

実は4月も5月も細かいミスを連発してしまって、迷惑をかけてしまいました(汗)職人さんのお仕事状況にもよりますが、すべてのパーツが揃っていれば、早いもので1週間、手間がかかるものでは1ヶ月半くらいで弊社に商品になって戻ってきます。

納期になり商品が職人さんから弊社に届くと、自分が育てた子が成長して帰ってきてくれるような嬉しい気持ちになります。

職人さんは単に組み立てるだけでなく、小銭やお札・カードといった中身が入って、膨らんだ状態での使い心地にまで気を配って作業をしてくれている、ということを知るとメーカーとして、メイドインジャパンの誇りを高く持つことができます。

 

最後に

二回に分けてお届けした【ナオキック、クロコを学ぶ~クロコ財布編~】、いかがだったでしょうか?

ブランドというのは発信していく商品によってお客さんを喜ばしていく存在。まだ3か月ほどですが製品作りに携わるようになり、モノヅクリの裏側を見て、知って、色々なことが広がってきました。

キックボクサー時代は自分の夢や目標のイメージを持って、ワクワクしながらたくさんのトレーニングを続けてきました。

その時と同様、イシカワでもおぼろげながらの目標のイメージが見えてきたので、そこに向かってワクワクと日々の経験値を積んでいきます。

これからのイシカワ、Rio de piedraにもぜひ、ご期待ください!

 


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